タスク管理ツールは様々なものが存在しますが、機能を使いこなせず挫折した経験はありませんか?
自分のタスク管理だけなら、ツールはWindows標準搭載の「メモ帳」で十分です。
手書きメモのように、やるべきこと・思いついたことをシンプルに書き留めるだけなので、複雑なことを覚えなくても使えます。
本記事では、メモ帳を使ったタスク管理の例と、より使いやすくするための環境設定をご紹介。複雑な機能に惑わされることなく、目の前のタスクに集中して業務効率化をしていきましょう。
自分のタスク管理は、シンプルにメモ帳で十分
世の中には、様々なタスク管理ツールがあります。それだけ、人はタスク管理に悩んでいるのだと想像できます。
ですが、これらのツールを「機能が充実しすぎて、かえって使いこなせていない」と感じる方もいるのではないでしょうか。
ツールの設定や操作方法で悪戦苦闘するうちに、本来の目的であるタスク管理がおろそかになる、なんてことも。
私は、自分のタスク管理をするだけなら、シンプルにWindowsパソコンに標準搭載の「メモ帳」で良いと思っています。
本記事では、メモ帳でどのようにタスク管理するのか、メモ帳を使うメリットと注意点について紹介します。
メモ帳でタスク管理を行う具体例
「Windowsのメモ帳でタスク管理ってどういうこと?」という方は、手書きメモと同じだとイメージしてください。
Todoや思いついたことを書き出す場所が、紙からデータに変わっただけです。
具体的には、以下の場面で役立ちます。
日々のタスクをTodoリストにする
今日のタスクを、箇条書きで書き出します。
- 会議など時間帯が決まっているものを上に書く
- その他のタスクは、実施順に並べて書く
実施した時間帯をタスクの前に記載すれば、日報への流用も可能です。
向こう1週間分のタスクを書き出すことで、今日だけでなくその先に何をやるべきかも明確になります。
完了したタスクは、特に共有先が無ければメモ帳から削除しても問題ありません。その日のタスクが全てなくなることで、達成感も味わえます。

メール・チャットのメッセージを控える
返信が必要なメールや、チャットでの指示内容は、他のメッセージに埋もれたり、そもそもメッセージが来ていたことを忘れることがありがちです。
メッセージを忘れないためには、確認したその場でメッセージ文または受信メールの件名、チャットリンクなどをメモ帳へ控えておくと良いです。
さらに、返信内容をメモ帳に作成しておけば、あとでメールやチャットにそのまま貼り付けるだけで済みます。

後日実施するものや、相手待ちのタスクを管理する
様々なタスクをこなしていると、「後でやろう」と思っていたタスクはたいてい忘れてしまいます。
作業中にふと思い浮かんだ別のタスクは、「後でやろう」と思ったらすぐにメモ帳に書き留めましょう。そうすることで、目の前の作業に集中でき、かつ後でそのタスクを忘れることもありません。
上司や他のメンバーも関わるタスクの場合は、「何のタスクを、いつ依頼して、誰の対応待ちなのか」をメモしておくと、依頼後しばらく返答が無い時の相手へのリマインドも忘れません。

発表資料の原稿作成
顧客へのプレゼン資料や、会議での発表資料を作成する時は、まずメモ帳で話す内容を書き出しています。
いきなりパワーポイントなどで資料を作成すると、フォントや文字色など余計なことが気になってしまうし、後で話す内容を変えようと思った時の手直しも大変です。
まずはテキストで内容を決めてから資料作成に取り組むことで、手直しの時間を短縮することができます。

備忘録
自社の連絡先など、忘れがちな情報をまとめておく「備忘録」としても活用できます。
ただし、セキュリティの観点から「パスワード一覧をメモ帳に作成する」といったことはやめましょう。
メモ帳をより便利に使うテクニック
シンプルだからこそ、ちょっとした工夫でメモ帳はさらに使いやすくなります。
自動で日付を入れられる「F5(ファンクションキー)」を活用
メモ帳の中で「F5」キーを押すと、現在の時刻と日付(例:「10:30 2025/06/23」)が自動入力されます。
日報や議事録を書く時、いちいち日時を入れなくて良いので便利です。
メモ帳の環境を快適にする「フォント」「ダークモード」
メモ帳の右上にあるアイコンをクリックすると、設定が開けます。
設定画面では、表示するフォントの種類やサイズを変更できます。私は、フォントを「メイリオ」、文字サイズを「11」にしています。
また、Windows 10以降ではダークモードにも対応しています。こちらも設定画面でモードを「ダーク」に変更することで設定可能です。白い画面を見続けていると目が疲れるという方は、ダークモードを試してみてください。

「■」などの箇条書きや「└」を使ったツリー構造で見やすく
単なる「・(なかてん、なかぐろ)」を使った箇条書きだけでなく、記号の「■(しかく)」を使ったり、「└(けいせん)」を使ってツリー構造で情報を整理したりすることで、視覚的に分かりやすいメモを作成できます。
こちらのテクニックは、特に議事録作成で役立ちます。
※議事録作成について詳しく知りたい方は「議事録の事前作成で、会議を時短する」を参照ください
メモ帳の管理方法
メモ帳のデータを管理する方法について、簡単に説明します。
出社したら常に起動する
出社してパソコンを起動したら、まずメモ帳を開く習慣をつけましょう。
タスクバーにメモ帳を固定することをお勧めしますが、「開く」から該当するファイルを探すのが面倒だという方は、タスク管理用のファイルだけデスクトップへ置いても良いです。
バックアップを忘れずに
メモ帳のタスクや備忘録が消えてしまうと、仕事ができなくなってしまいます。万が一のデータ喪失に備えて、必ずバックアップを取りましょう。
私の場合、以下のようにデータ管理しています。
- メインデータ:デスクトップに置いて、パソコン起動時にすぐ開けるようにする
- バックアップ①:社内サーバに置いて、メインデータに重要な変更を入れたら都度上書きする
- バックアップ②:クラウドストレージ(Googleドライブ)に置いて、退社前に最新版へ上書きする
メモ帳を開く方法
Windowsのスタート画面からメモ帳を開く手順は、以下の通りです。
- 画面左下のスタートボタンをクリックする
- アプリ一覧から「メモ帳」を検索する
- 表示されたアプリをクリックして開く
毎日使うので、パソコンのタスクバーにメモ帳を固定しておくと便利です。
メモ帳を開いている時にタスクバーにアイコンが表示されるので、アイコンを右クリックして「タスクバーに固定する」を選択することで固定できます。
メモ帳のメリット
なぜメモ帳をタスク管理ツールとして推しているのかについて、簡単にメリットをお伝えします。
テキストデータなので、どこにでもコピペできる
メモ帳はテキストデータのみなので、Word、Excel、メール、チャットなど、どこにでも簡単にコピペできます。
Webサイトのページ編集で、文章やコードをメモ帳からそのまま持ってくることも可能です。
「値で貼り付ける」といった形式の選択が要らないので、スムーズにコピペできるところが気に入っています。
データ容量が少なくて済む
メモ帳なら、どんなにたくさん文字を書いても、パソコンのストレージを圧迫する心配がありません。
例えばメモ帳に日本語10000文字を書いた場合、データの大きさは20〜30KBくらいです。
スマホで撮影した写真が1枚で1MB以上あることを考えると、その小ささがよくわかるかと思います。
メモ帳を使う時の注意点
手軽で便利なメモ帳ですが、使用の際はいくつか注意しておくべき点もあります。
対応していない文字や記号は文字化けする
一部の特殊な文字や、絵文字については、メモ帳だと「?」に文字化けすることがあります。
一般的な文字や記号を使うようにしましょう。
「元に戻す」機能が使えないことがある
多くのアプリは、「Ctrl + Z」のショートカットキーを使ってかなり前の状態まで元に戻せますが、メモ帳の場合は直前の操作に限定されることがあります。
大事なデータをうっかり消してしまわないよう、こまめに「Ctrl + S」を押して上書き保存しておくことをお勧めします。
メモ帳を開いた時、カーソルがの最上部に戻ってしまうことがある
他のアプリを使った後でメモ帳に戻るたびに、メモ帳の一番上にカーソルが戻ってしまうことがあります。作業中だった場所を都度探す必要があるので、この現象が起きてしまうと厄介です。
これは、メモ帳の1行目に空白があると起きやすくなります。メモ帳の1行目に必ず文字を入れることで、アプリを移動しても直前に編集していた場所が維持されるようになります。
通知やリマインドといった機能は無い
メモ帳には、他のタスク管理ツールにあるような「通知」「リマインド」といった機能はありません。リマインドが無いことを「不便だ」と感じる方は、少なくないかもしれません。
しかし、この欠点を前向きに捉えて「自分でタスク管理をする」という意識を高めることにも繋がっていると感じています。
まとめ:シンプルで効果大なメモ帳を活用しよう
Windowsの「メモ帳」は、シンプルながらもタスク管理に適したツールです。
メモ帳の使い方まとめ
■Todoリスト:今日のタスクを箇条書きにする
■メッセージの控え:メール、チャット文のコピペが楽々
■後日実施や、相手待ちタスクの管理:リマインドに役立ちます
■発表資料の原稿作成:まずは話す内容を決めてから、資料を作成
■備忘録:自社の連絡先などをまとめておく
複雑な機能に惑わされることなく、目の前のタスクに集中して業務効率化をしていきましょう。
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