請求書の「印刷して、三つ折りにして、封入して、ポストへ投函する」という作業、面倒ですよね。
郵便料金の高騰やリモートワークの普及など、郵送による請求書送付では難しい課題もあります
その解決策として、本記事では「請求書のオンライン送付」がおすすめです。
スムーズな移行のために、
- 準備を含めた具体的な手順
- オンライン請求書サービスの紹介
- 導入によって得られるメリット
- スムーズな移行のための注意点
について解説します。
請求書をオンライン送付へ切り替えて、ワンクリックで送信できる快適さを手に入れましょう。
紙の請求書はオンライン送付に移行しよう
紙の請求書送付は、「出力、三つ折り、封入、切手貼付、ポスト投函」という、手間のオンパレードです。
オンライン請求書に移行することで、この手作業を効率化しましょう。
なぜオンライン請求書なのか?3つの理由
紙→オンラインへの移行は、業務効率化だけでなく以下の課題に対応するためでもあります。
【1】郵便料金の高騰
2024年10月には、定形郵便物の料金が84円から110円に大幅に値上げされました。
請求書の送付枚数が多くなると、「塵も積もれば山となる」で経費を圧迫します。
【2】電子帳簿保存法(電帳法)への対応
電子取引に関するデータは、電帳法に沿った管理が義務化されました。
請求書も、「検索機能」「タイムスタンプ」など、適切なデータ管理をする必要があります。
【3】リモートワークの普及
会社に出社せず、自宅等でリモートワークをする企業が増えています。
紙の請求書では、出力、封入、切手貼付といった作業はリモートワークに不向きです。
担当者が出社しなくても請求書を送付できる体制は、現代の働き方において必須となります。
オンライン請求へ移行するための5つの手順
オンライン請求への移行は、一斉に切り替えるのではなく、段階的に進めることが成功の鍵です。
以下の手順で、移行を進めていきましょう。
導入サービス、請求書の作成方法を決める
オンライン請求サービスの利用がおすすめです。
どのようなサービスがあるかは後述しますが、現在使っている会計ソフト等と連携できるサービスを選ぶと、発行から入金管理までを自動化できて便利です。
また、サービスによって請求書送付のやり方が主に2つに分かれます。
請求書のPDFデータをアップロード
WordやExcel、または自社専用システムなどで作成したPDFデータを、オンライン請求サービスにアップロードして送付する形式。
サービス内で請求書を作成
利用するオンライン請求サービスの画面に従い、必要事項を入力して請求書を作成・送付する形式。
どちらのやり方が良いか、自社で運用しやすい方を選びましょう。
オンライン請求への移行期間を定める
全ての顧客に対し、一斉に紙→オンラインへ切り替えるのは難しいです。
徐々にオンライン請求の割合が増えていくイメージで、1年ほどの移行期間を設けましょう。
移行期間中、どのように顧客へ案内するのかも事前に決めておくと、移行がスムーズになります。
請求先のメールアドレスを知っている場合は、そのアドレス宛に「オンライン請求に切り替えます」という旨の案内文を送ります。
オンライン請求への切り替えを承諾いただいたら、次回請求から切り替えOKです。
メールアドレスを知らない場合は、紙郵送の請求書に、オンライン請求に切り替える旨の書面を同封して送ります。
メールの転記ミスを防ぐために、送付先メールアドレスは相手に入力してもらえるような運用が望ましいです。
その他、自社のメルマガや顧客管理システムの配信機能などを使って、取引先に案内メールを一斉送信する方法もあります。
顧客への案内文を作成する(必要な場合のみ)
今まで郵送で請求書をお送りしていた顧客へ、オンライン請求へ切り替える旨の連絡が必要です。
導入サービスに案内文のテンプレートが付いているケースが多いですが、もしテンプレートが無い場合は、自社で案内状の作成が必要です。
オンライン請求のために必要な「メールアドレス」を取得するためには、
- 入力フォームを設けて取得する方法
- 案内状に送信元メールアドレスを記載して、メールを送ってもらう方法
- 案内状の下部に、顧客のメールアドレスを書いて返送してもらう方法
があります。
最も確実で、お互いの手間がかからないのは「入力フォーム」ですが、個人情報を扱うためフォーム作成ツールは慎重に選びましょう。
オンライン請求サービスを導入し、初期設定を行う
サービスを契約し、初期設定が完了したら、いよいよ運用開始です。
オンライン請求OKの顧客から、徐々に切り替えていきましょう。
オンライン請求サービスの紹介
オンライン請求サービスは、送付方法で大きく2つに分類されます。
いくつか紹介しますので、自社に合いそうなものを探してみてください。
PDFアップロードによる請求書送付
事前に請求書をPDFデータにしてから、オンライン請求サービスにアップロードします。
楽楽明細
公式サイト:https://www.rakurakumeisai.jp/
大量の請求書を送る企業に適しています。
PDFのほか、CSVアップロードで請求書レイアウトを作成することも可能です。
郵送代行も行っています。
Bill One
公式サイト:https://bill-one.com/
受取請求書のデジタル化で有名なサービスですが、請求書の送付機能もあります。
サービス内で請求書を作成・送付
サービス内の画面案内に従って、請求書の作成から送付を行います。
ジョブカン見積/請求書
公式サイト:https://in.jobcan.ne.jp/
シンプルな操作性が特徴で、小規模〜中小企業でも直感的に使いやすいサービスです。
freee請求書
公式サイト:https://www.freee.co.jp/invoice/
「freee会計」と連携でき、請求書のほか、見積書も作成可能です。
無料プランがあるので、スモールスタートにも適しています。
マネーフォワード クラウド請求書
公式サイト:https://biz.moneyforward.com/invoice/
「マネーフォワード会計」と連携でき、仕訳入力の手間を省いてくれます。
BtoBプラットフォーム 請求書
公式サイト:https://www.infomart.co.jp/seikyu/
大企業やサプライチェーンでの導入実績が豊富です。
PDFでの請求書アップロードにも対応しています。
オンライン請求へ移行したことによるメリット
オンライン請求に切り替えたことで、以下のようなメリットがありました。
作業時間の削減
PDFをアップロード、またはサービス内で作成して「送信」をクリックするだけで送付完了。
請求書の封入や投函が不要になります。
データの検索性向上
送付した請求書データは、サービス上で送信履歴が残ります。
どこにいつ送付したか調べたい時、取引先名や金額で検索できるので、紙の控えから探す手間がなくなります。
請求書控えの紙保管が不要
請求書控えを紙で保管する必要がなくなり、ファイルが場所を取らなくなりました。
封入やポスト投函のコスト削減
封筒、請求書の印刷、切手といった費用の削減につながります。
特に郵便料金は、発送数が塵も積もれば山となるため、コスト削減の効果があります。
スムーズな移行のための注意点
オンライン請求への切り替えを成功させるために、運用にあたって注意すべき点もあります。
誤送信を防ぐ体制の徹底
オンライン請求は、クリック一つで送信できるのが便利な反面、相手先の選択を間違えるなど、誤送信のリスクも高まります。
送信前にダブルチェックを行う、誤送信時の対応ルールを決めておくなど、誤送信への対応策をつくるのがベターです。
紙での郵送を希望する顧客への対応
相手先の規定といった事情から、オンライン請求に切り替えられない顧客も存在します。
郵送を希望される場合は、紙での請求書発行にも対応できる体制にしておきましょう。
オンライン請求サービスによっては、郵送代行(印刷・封入・投函を代行してくれる)もサービス内容として持っているところがあります。
こうしたサービスの活用も検討すると良いです。
顧客が別のオンライン請求サービスを利用している
顧客によっては、請求書送付に「自社が導入したサービス以外」を指定するケースがあります。
この場合も、顧客が指定したサービスで送付できるようにすると良いです。
初めて使うサービスや、顧客の独自システムなど、使い方を覚えるのに苦戦することもあります。
請求書の送付手順をマニュアルにするなど、スムーズな送付ができるような工夫が必要です。
顧客によって「自社が導入したオンライン請求サービス」「顧客が指定した別サービス」「郵送(または郵送代行)」など、送付方法が混在してきます。
「どの顧客に、どの手段(オンライン、郵送代行、紙郵送)で送るのか」を明確にした顧客リストを作成し、管理できるようにしましょう。
まとめ:オンライン請求に移行して業務効率化しよう
オンライン請求書への移行は、紙の出力からポスト投函の手間や、管理コストを減らしてくれます。
移行手順を参考に、オンライン送付が可能な顧客から少しずつ切り替えを行いましょう。
- 導入サービス、請求書の作成方法を決める
- オンライン請求への移行期間を定める
- 顧客への案内文を作成する(必要な場合のみ)
- オンライン請求サービスを導入し、初期設定を行う
本記事で紹介した他にも、オンライン請求書サービスは様々なものがあります。
自社に合いそうなものがあったら、資料請求やトライアルすることから始めてみましょう。
「送信」ボタンクリックで請求書送付ができる快適さを、ぜひ手に入れてください。
